無機接着剤(酸性系)スミセラム S-208系

特徴

スミセラム酸性系は接着力が強く、特に耐水性,絶縁性に優れており、
セラミック等の接着、補修及びコーティングに有効です。

使用方法

1)

基板の脱脂を十分に行って下さい。(400℃×30分空焼き又はアルカリ脱脂等)

2)

スミセラムにはフィラーが含まれており、静置していると沈降しバインダーと分離します。
使用前にはフィラーの沈降がなくなるまで分散を行ってください。
数回に分けての使用の場合は乾燥固形物が混入しないようにして下さい。

3)

分散方法

  • 分散機(ペイントシェイカー)による方法(保管期間により時間を延ばしてください)

    容器を上下交互に分散してください。

    分散例
    【分散例】上向きの状態で5分

    上向きの状態で5分

    【分散例】下向きの状態で5分

    下向きの状態で5分

    【分散例】上向きの状態で5分

    上向きの状態で5分

  • ボールミルによる方法

    ボールミル回転数を100rpm未満にて 4時間以内で回してください。
    過度の回転を行うと遠心力による固液分離の恐れがあります。

    ボールミル
  • スパチュラ(スプーン等)による方法

    沈降フィラーが均一に分散するまで混ぜてください。
    時間による乾燥固形分が混入しないように注意してください。

    スパチュラ(スプーン等)
4)

接着方法

  • 充填接着方法

    隙間に充填する場合は シリンジ、ディスペンサー等を使用し均一充填を行ってください。

5)

コーティング方法

  • スプレーの場合

    • ガン口径: 1.2~2.5mmφ
    • スプレー圧: 3~5Kg/cm2
    • 塗布量: 100~300g/m2
  • 刷毛塗りの場合

    十分に脱脂した刷毛を使用し、100~200μを均一に塗布して下さい。

    コーティング前とコーティング後の比較写真

※粘度が高い場合は適度に水で薄めてください。(S-208Bは10%まで水添加できます)
水を添加しすぎると極端に接着剤の粘度が下がってしまって使えなくなりますので、
水は少量ずつ添加して使いやすい粘度に調整してください。

6)

硬化方法

スミセラムは加熱し水分を飛ばすことで硬化し、接着力が発現します。

  • 一般的硬化条件

      予備加熱 本加熱
    ステップ1 ステップ2 ステップ3
    S-208 80℃×30分 100℃×30分 300℃×30分
    備考 充填後すぐに予備加熱を行うことにより、クラックが発生しにくくなります。 この段階で水分を十分に飛ばしてください。
    発泡の原因となります。
    100℃からの昇温時間は30分以上とって下さい。

    ※予備加熱は発泡を防ぐために必要です。上記条件でも発泡する場合は予備加熱時間を延ばしてください。

  • 発泡、クラックが激しい場合(水分抜け口が小さい場合や、充填スペースが大きい場合など)

      予備加熱 本加熱
    ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4 ステップ5 ステップ6
    S-208 80℃×30分 100℃×30分 150℃×30分 200℃×30分 250℃×30分 300℃×30分

    ※硬化に必要な温度と時間は接着対象物の形状、大きさにより差が有りますので良い条件を探してください。

前のページへ戻る